WordPressのデータベース更新のすすめ
研究室や研究プロジェクトのホームページをWordPressで運用されている方の間でも、「PHPのバージョンアップ」は少しずつ知られるようになってきました。一方で、見落とされがちなのがデータベース(MySQL/MariaDB)のバージョンです。
WordPressは、PHPというプログラムと、記事や設定を保存するデータベースの2つがそろって動いています。PHPだけを新しくしても、データベースが古いままではサイトの安全性は十分とはいえません。今回は、データベースのバージョンアップがなぜ大切なのか、そしてご自身のサイトの状況を確認する方法をご紹介します。
WordPressのデータベースとは
WordPressで作られたサイトでは、お知らせや研究業績などの記事、固定ページの本文、メンバー紹介、管理画面にログインするユーザーの情報、サイトの各種設定やプラグインの設定などが、すべてデータベースに保存されています。ページが表示されるたびに、PHPがデータベースから必要な情報を読み出して画面を組み立てています。
WordPressで使われるデータベースは、主に「MySQL(マイエスキューエル)」と、MySQLから派生した「MariaDB(マリアディービー)」の2種類です。レンタルサーバーの管理画面で「MySQL」と表示されていても、実際にはMariaDBが使われていることもあります。
データベースにもサポート期限があります
PHPと同じように、MySQLやMariaDBにもバージョンごとにサポート期限があり、期限を過ぎたバージョンには脆弱性(セキュリティ上の問題)が見つかっても修正が提供されません。主なバージョンのサポート状況は以下のとおりです。
| バージョン | サポート期限 |
|---|---|
| MySQL 5.7以前 | 終了済み(5.7は2023年10月) |
| MySQL 8.0 | 終了済み(2026年4月) |
| MySQL 8.4 | サポート中(長期サポート版) |
| MariaDB 10.5以前 | 終了済み(10.5は2025年6月) |
| MariaDB 10.6 | 終了済み(2026年7月) |
| MariaDB 10.11 | 2028年2月まで |
| MariaDB 11.4 | 2029年5月まで |
※2026年10月時点の情報です。
WordPressの公式サイトでは、データベースは「MySQL 8.0以上」または「MariaDB 10.11以上」が推奨されています。ただし、表のとおりMySQL 8.0は2026年4月でサポートが終了しているため、MySQLをお使いの場合は8.4への移行をおすすめします。数年前に作ったまま更新していないサイトでは、すでにサポートの終わったデータベースで動いていることが少なくありません。
古いデータベースを使い続けるリスク
サポートの終わったデータベースを使い続けると、次のような問題が起こるおそれがあります。
- 脆弱性が見つかっても修正されず、サイトの改ざんや情報漏えいにつながる危険性が高まる
- 新しいWordPressやプラグインが古いデータベースに対応しなくなり、更新できなくなる
- レンタルサーバー側で古いバージョンの提供が終了し、ある日突然サイトが表示されなくなる
- PHPのバージョンアップを行おうとしても、データベースが古いままでは対応しきれない
特に注意したいのが、サーバー会社による提供終了です。多くのレンタルサーバーでは、古いデータベースの提供を終了する際に事前の案内メールを送っていますが、研究室ではサーバー契約時の担当者がすでに卒業・異動していて、案内に誰も気付かないまま期限を迎えてしまうケースがあります。
データベースのバージョンアップは意外と手間がかかる
WordPress本体やプラグインは管理画面のボタンから更新できますが、データベースのバージョンアップはそうはいきません。多くのレンタルサーバーでは、既存のデータベースのバージョンをそのまま上げることはできず、次のような作業が必要になります。
- 現在のデータベースのバックアップを取る
- 新しいバージョンのデータベースを作成する
- データを新しいデータベースへ移し替える
- WordPressの設定ファイル(wp-config.php)の接続先を書き換える
- 表示や管理画面、お問い合わせフォームなどが正しく動くか確認する
このとき、文字コードや照合順序(並び替えのルール)の違いによって日本語が文字化けしたり、古いプラグインが新しいデータベースで正しく動かなかったりすることがあります。手順を一つ間違えると、これまで積み重ねてきた記事や業績のデータを失ってしまうおそれもあるため、慎重に進める必要があります。
ご自身のサイトのデータベースを確認する方法
WordPress 5.2以降であれば、管理画面からデータベースのバージョンを確認できます。
- 管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」タブを開く
- 「データベース」の項目を開き、「サーバーのバージョン」を確認する
- 表示されたバージョンを、上の表のサポート期限と照らし合わせる
「サイトヘルス」の項目が見当たらない場合は、WordPress本体のバージョン自体がかなり古い可能性があります。その場合は、データベースだけでなくWordPress本体やPHPもあわせて見直す必要があります。
データベースのバージョンアップ対応を承ります
弊社では、大学や研究所などの研究機関で運用されているWordPressサイトを対象に、データベースのバージョンアップ対応を55,000円(税込)で承ります。他社で制作されたサイトや、研究室の学生さんが作ったサイトでも対応可能です。
データベースバージョンアップ対応
¥55,000(WordPressサイト1件)
- 現状調査(データベース・PHP・WordPress本体・テーマ・プラグインのバージョンと対応状況の確認)
- 作業前のバックアップ(ファイル・データベース)
- 新しいバージョンのデータベースの作成とデータの移行
- 文字コード・照合順序の確認と調整
- WordPressの接続設定(wp-config.php)の変更
- 動作確認と軽微な不具合の修正
- 作業報告
※独自開発されたテーマ・プラグインの大幅な改修、更新が終了したプラグインの代替機能の作り直し、サーバー移転を伴う場合などは別途お見積りとなります。追加費用が発生する場合は、作業前にお見積りをご提示し、ご了承いただいてから作業いたします。
※見積書・納品書・請求書の発行、公費での後払い(請求書払い)に対応しております。
PHPのバージョンアップもあわせて必要な場合は、PHPバージョンアップ対応のご案内もご覧ください。どちらが必要か分からない場合も、お気軽にご相談ください。
ご依頼の流れ
- お見積もりフォームより、サイトのURLとともにご連絡ください。
- 弊社にてサイトの状況を確認し、お見積もりをご提示します。(管理画面やサーバーのログイン情報をお知らせいただくことがございます。)
- バックアップを取ったうえで、データベースの移行と切り替えを行います。
- 動作確認後、作業内容をご報告して完了です。
よくあるご質問
Q. 自分のサイトのデータベースが古いかどうか分かりません。
A. 上記の方法で、管理画面からバージョンをご確認ください。弊社の方で確認した方が宜しければお気軽にご相談ください。確認のみでしたら、料金は必要ございません。
Q. 作業中はサイトが止まりますか?
A. バックアップと事前確認を行ったうえで切り替えるため、停止時間は最小限です。学会や公募の締切前など、止めたくない時期がございましたらお知らせください。
Q. 大学のサーバーで運用していますが対応できますか?
A. 基本的に対応できません。大学のサーバー管理者様へご相談ください。また、UMINも対応できません。
Q. 対応後も定期的にメンテナンスをお願いできますか?
A. はい。WordPress保守プランをご用意しております。データベースやPHP、WordPressの更新を継続して弊社にお任せいただけます。
最後に
データベースは普段目に触れることがないため、つい後回しにされがちです。しかし、研究室のホームページに蓄積された記事や業績のデータは、すべてデータベースの中にあります。大切なデータを守り、サイトを安全に公開し続けるためにも、この機会に一度バージョンを確認してみてください。




