研究室ホームページを検索結果の上位に表示させるには
弊社のお客様から「研究室のホームページをGoogleの検索結果の上位に表示させたい」というご要望をしばしば頂戴します。そこで今回は、検索エンジンで上位表示させる技術、いわゆるSEO(Search Engine Optimization)について、研究機関向けに解説したいと思います。
研究機関は有利
検索結果の順位は様々な要因により決定されていますが、そのうちの重要な要因の1つにWebサイト(ドメイン)のオーソリティがあります。つまり、そのWebサイトの権威が高ければ高いほど、Googleからの評価が高く、上位表示されやすいのです。特に政府系のサイトや学術機関のサイトのドメインはオーソリティが高く、ちょっとの施策で簡単に上位表示することが可能です。大学の研究室のホームページを新たにを開く際は外部のサーバー(ドメイン)ではなく、ac.jpドメインのサーバーにサイトを置くようにしましょう。
キーワードの選定
SEOの作業に取り掛かる前に、まずは適切なキーワードを選定する作業から始める必要があります。ほとんど検索ボリュームの無いキーワードでSEOをかけて、それで上位表示されたとしても、訪問者は増えません。SEOの目的は訪問者を増やすことですので、予め検索ボリュームを調べて、自分が思いついたキーワードが適切なものかどうか確認してください。以下のキーワードプランナーでGoogleの月間検索ボリュームを調べることができます。Google広告(検索結果の上や右側などに表示される広告)の利用者向けのツールですが、入金しなくてもアカウントを作るだけで使えるはずです。
このツールを使うことにより、自分では思いつかないキーワードの組み合わせを発見することもありますので、必ずこの作業は行っていただきたいです。
一点だけ注意していただきたいのは、あまりにメジャーなキーワード、例えば「物理」や「環境」などは競合が多すぎて上位表示はまず不可能です。一度実際に検索してみて、競合が少ないものを選んでください。
自サイト内の施策
次に、自らが保有しているサイト内での施策を具体的にご説明します。まず、最も重要なのはTITLEタグの最適化です。HTMLソースの<HEAD>から</HEAD>の間に書くものですね。TITLEタグ内のテキストは最も重要でして、ここにキーワードをうまく組み込んでください。例えば、「タンパク質結晶構造解析」というキーワードで上位表示をしたい研究室があるとします。通常は、
<TITLE>○○研究室</TITLE>
などとしますが、ここにうまく「タンパク質結晶構造解析」というキーワードを入れてしまうのです。
<TITLE>タンパク質結晶構造解析といえば○○研究室</TITLE>
アカデミックなサイトの場合、この施策だけでも上位に上がることがあるくらいです。
他にはH1などの見出しにもキーワードを入れたり、本文中にも適度にキーワードを散りばめればバッチリです。
ここで注意していただきたいのは、SEOを意識し過ぎて、多くのキーワードを詰め込みすぎないよう注意してください。Googleに悪質なスパム行為と判定されてしまうと、検索結果の圏外に飛んでしまうことがあります。ほどほどの施策に留めてください。
また、以前の記事「研究室ウェブサイトで多用されるフレームは時代遅れ」でも説明しました通り、フレームを用いているサイトはSEO的に不利となりますので、早急に見直してください。
外部サイトの施策
研究機関のWebサイトの場合、上記の内部施策だけでも十分なのですが、さらに外部リンクを供給するという方法があります。つまり、目的とするキーワードをアンカーテキストに含めて外部サイトから自サイトに向けてリンクを張ってもらうのです。
アンカーテキスト:リンクを設定しているテキストのこと。HTMLソースでAタグに囲まれた部分です。
<A HREF="URL">ここがアンカーテキスト</A>と書くとわかりやすいでしょうか。
以前の話ですが、「18歳未満」と検索すると1番目にYahooが表示されていました。これは成人向けのサイトで18歳未満を退出させるためのリンクが置いてありますが、「18歳未満」をアンカーテキストとしてYahooにリンクしていることが多いからです。「18歳未満」というキーワードに関係のないサイトが1位になってしまうくらいですから、いかに強力な施策であるかがお分かりいただけるでしょう。
しかしながら、そういったリンクをもらうことはなかなか難しいものです。とりあえず研究室で運営しているブログや研究室メンバーの個人的なサイトで設定しているリンクのアンカーテキストを見直してみてはいかがでしょうか。
なお、これを悪用して、自作自演のサイトを乱立させて、大量のリンクを張るようなことをしてしまうと、Googleからスパム行為と見なされ、重いペナルティを受けることがありますので、注意してください。
最後に
繰り返しになりますが、内部施策も外部施策もやり過ぎてしまうとGoogleからスパムと見なされる可能性が高くなります。悪質なスパム行為を排除するため、年々Googleの取り締まりは厳しくなっており、ある日突然、検索結果から自分のサイトが無くなっているということも珍しくありません。
冒頭でも説明した通り、アカデミックなサイトは下駄を履いているようなものですので、スパム的な手法を用い無くても、簡単な施策で上位表示が可能です。健全なSEOを心がけてください。